日本×インド「織り織りのうた」師ブッタと再会
2012/09/27 2件のコメント
崩壊について思いなおすことをした一年でした。
世の中は便利になっていくと感じることが、日一日と起こっていたけれど、
ぜんぜん・・・なーんにもなかったんだと。
津波が起こってモノが流されたので、在り在りと「何にもない」と感じるところへと導かれたけど
はじめから何にもなかったんだと、気がついた。
昔からそこ(岩泉)に、
自然と共にあったから続いていた「織り」が
またはじまった。
モノがなくなり、
改めて 絶対に裏切らずに巡っている自然を見つめるようになって
命の存在の規則正しさに、それを美しいと感じて
生きている力に歓びをいただくので
心に描写し、織りに託す。
海(うみ)
山(やま)
虹(にじ)
雪山をイメージした、
全ての音を吸収する「雪マット=瞑想マット」が2012年に入って完成した。
本田技研様の「ふんばろう東日本プロジェクト」から贈っていただく白Tシャツが支えになっています。
雪が溶け始め、枯れた木々の先に、初々しい若芽が息吹くころ
ブッタの本に出ていた「草を刈ってきてその上で瞑想をした」
の一文がわたくしの頭をよぎった。「ふわふわ」だとか「香りがよく」「虫が来ない」「マムシを寄せ付けない」とか書かれている。
「この草の種類はなんだろう」
岩泉の地はどこかインドに似ているので、その草を探したくなった。
そう、インドと日本の昔の風景はどこか似ている。
まして岩泉の暮らし方は、とてもインドに似ている。
岩泉は、本州で一番暑い、高温が観測され毎年最高記録値が、また本州で最も低い気温も観測される場所だといいます。
インドの夏、日中は暑くて暑くて歩けない、そして夜になると涼しくなって人々は外に出てくる。
夏はおんなじです。
「家に籠る」という質をみれば、岩泉の長いながーい冬は、まさに冬ごもりの熊。家にいて、ただじーっと春を待ちます。
水は豊富で清らかで美しく、硬水。
川が多い。
高く、けわしい岩山に囲まる
土地はやせている。岩山に囲まれているためだろう。
今こそ、肥料が発達したが
昔は米が育たない。米の摂れない場所だった。
だから、北インドと同じ、主食は粉文化
砂糖が好きで豆をよく食べ
厳しい気候に耐えるために、刺激物(インドは香辛料。岩手はニンニク)をパワーの元としている。
生活や暮らす環境がやっぱり似てる。
違うのは文化的な発展の部分。
これは人種でしょう。
インド人と日本人の性のちがいでしょう。
岩手は貧乏なので、あるもので、どうにか工夫する力をつけ、より工夫されたモノつくり、こだわりのモノが食においても、道具においても極められたようです。
インドはそもそもの血統に種族がある。役割があるから、それぞれの者の役割が果たされた。
その役割分担ですが、インドではカースト(カストからきた言葉で「種族」の意)、ヴァルナ(皮膚の色)制度といって、私たちの思考範囲を超えた「血統」という流れがあるが、これについて、日本には無いか?というと日本の昔の「むら」や「部落」をみると、インドと同じように仕事でその家を呼ぶ「屋号」というのがありました。
話しをもとに戻します。
いろいろと「似ている」ということでまとめさせていただき
「きっとブッタの瞑想時の草に相当する種類の草が在るに違いない」と、勝手に思いを膨らませていました。
大麻?(ちょと痛そう)
稲?(これも固いし痛そう。ワラのかすが出て散らかりそう・・・)
もち米?(草履を編むのは、ワラでも餅米のワラだそうです。柔らかいとか)
キビ?アワ?麦?(どれも ワラかすが散らかるし、少々痛い。香りも最初だけ)
葦草?(うん。これならいい香り。かすも・・・でるけどワラより少ない。)
まあ、きっとい草のようなモノだったのでしょう。牛の餌にもしたのでしょう。
さてさて・・・
結論がではじめたものの、実際にここは日本ですから、織りの材料として具体的にどれがいいかと実験をはじめました。
い草もワラも、少し細いためかマットとしての厚みが出ない・・・叩いて柔らかくして重なるか?
工夫を重ねていると、
あ〜!コレだ!!
みつけました
みーつけた!
すごい草をみーつけた!!
話題にしてみると、
聞けば聞くほど、不思議な葉。
匂いもとってもよく、その香りは長続きする。
玄関先のお飾りの材料としても使われ、消臭剤や厄よけ、魔除けとして作られ飾られたという。
漬物の蓋として使われカビの防止、殺菌効果があったという。
こんな話を聞きました。「塩漬けのキュウリ、今年は暑くて漬けていた水がドロドロになってしまっ手、あ〜ダメにしたな、と思ったが、この葉を蓋にして一日おいたら、その水がね、なんとさらさらに変わったの」と。
話はまだありました。
畳の葦草を保護する むしろ として、「ござ」や「こおり」が編まれ、い草を包んだといいます。
さあ〜織ってみましたあ!!!!
ついに完成です!
第一号はカワトクに出店します。
草を刈ったり、干したりと、少々手間暇がかかりました。
世界を歩くマットかもしれません?!
合掌