2019年3月11日

2019年3月11日

【織り織りのうた】と関わってくださったすべてを思う

 

【見つめているところ】

大地震と大津波から8年。生まれ変わった大地は9歳。

「海さあって、それに田んぼや畑…ここで生かさってきたっけから〜。」

当時、全て流れた土地で小さく丸くなって見えた……今振り返えるとそれは、わたくしでした。訪れたわたしの心が傷ついて小さく丸まっていたのです。

今思うと、津波のあとも毎朝海を眺めていた人、崩壊した家を見えていた人、倉庫で座り込んでいた人…海や松林、田畑や船、道具や交通機関もまた家族だったので、我が身のことより、傷ついてしまった家族と向き合っていたのですね。来る日も来る日も、ずいぶん長ことかけて見舞われながらこれからも連れ添っていくにはと模索し決意を固めていらしたのですね。

 

【心に建立された】

8年経っても、通い共に暮らした当時のあの土地から聞こえてきたたくさんの声を表現する言葉はみつかりません。沈黙のはずの土地からわーわーとたくさんの声が聞こえていました。すれ違う人からも、沈黙の背中から聞こえてきた声。仁王吽形と重なりもするような強くも静かな念でした。

今のわたくしには目を閉じればある、心の神像のようなものになりました。そして背を正されるのです。甘いです。弱いです。明確でない自分を恥じるのでした。

携わらせていただいたこの期間は心の神社です。これからも礼拝は続きます。

 

【実在の経験】

10年間、精神であるヨーガについて先生からたくさんのことを教わりました。そして学んだと思っていました。質問を受ければお応えできるだろうと思うけれど、学べてはいますが、「学習するはどういうことか」という問に対する答えはひっくり返されたようでした。ほんとうの学習経験です。それは頭での理解、言葉のうえでの感銘で、深く感動した振動を理解した風に思い込んでいただけだと改めて実感。寝ても覚めて昨日と同じ状況下であり、本を閉じれば終わらないことです。理解したから次へとページをめくれない、わかってもステップが進んでいくわけではないという実際でした。就労支援プロジェクト【織り織りのうた】に関わってくださった方と暮らすことで経験、学習しました。

 

【今に黙祷】

東北に限らず、日本で、世界中で自然災害による崩壊が起きた平成。人が生命エネルギーを人工的に操ることで自然がうごめいたとも言えるかも。そして崩壊と、まったく別の誕生が次々と生まれています。わたしはどこに生きようか…。わたしはだれだ。家族、ファミリーは誰だと迷いそうだ。あっというまに不明確で不明瞭なものに覆われてしまいそうだ。今に、実在の経験に黙祷。